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遺言書が無効になるケース
よくある記載ミスと、無効にならないための対策

せっかく書いた遺言書が、形式不備や記載ミスで法的に無効になってしまうケースが数多くあります。特に自筆証書遺言では形式要件が厳格で、一つでも欠けると無効になります。よくある無効パターンを確認して、確実な遺言書を作成しましょう。

無効になる2つの原因
⚠️ 形式不備による無効
遺言書には法律で定められた書き方(方式)があります。この方式を一つでも満たさないと、内容がどれほど正確でも遺言全体が無効になります。
⚠️ 意思能力の欠如による無効
遺言作成時に認知症などで意思能力がなかったと判断された場合、遺言は無効になります。後に相続人から無効確認訴訟を起こされるリスクがあります。

自筆証書遺言でよくある無効パターン
最多 無効
「〇年〇月吉日」と書いた
日付は年月日まで正確に記入する必要があります。「吉日」は日付の特定ができないため無効です。
多数 無効
本文をパソコンで入力・印刷した
自筆証書遺言は全文(財産目録を除く)を自筆で書く必要があります。代筆・印刷は不可。財産目録のみPC可ですが全ページへの押印が必要です。
多数 無効
押印がない・または鉛筆で書いた
署名と押印(認め印でも可)が必須です。鉛筆書きは変造リスクがあるとして認められないケースがあります。
注意 争点化
財産の特定が不十分
「預金を長男に渡す」だけでは不十分。金融機関名・支店名・口座番号を記載しないと特定できず、後に争いの原因になります。
注意 無効リスク
訂正方法が間違っている
訂正は「二重線+押印+欄外に「○字削除○字追記」と記入」が必要です。修正テープ・ボールペンでの上書きは無効になります。
注意 争点化
遺言書が複数あり矛盾している
複数の遺言書がある場合は日付の最新のものが優先。ただし同じ財産について異なる指定がある場合のみ新しいものが有効で、他の部分は古い遺言も有効なままです。

正しい書き方 vs 無効になる書き方
✅ 有効な日付
令和7年4月15日
❌ 無効な日付
令和7年4月吉日
✅ 有効な財産指定
○○銀行△△支店 普通預金 口座番号1234567 を長男○○に相続させる
❌ 曖昧な財産指定
預金を長男に渡す
✅ 有効な訂正
二重線+押印し「〇字削除〇字追記」と欄外に自書
❌ 無効な訂正
修正テープ使用、または単純な上書き

無効リスクをゼロにする3つの方法
🏛️公正証書遺言を選ぶ —— 公証人が作成するため形式不備による無効がほぼゼロ。最も確実な方法です。
📮法務局の「遺言書保管制度」を使う —— 自筆証書遺言を法務局が保管。外形的な形式チェックあり。紛失・隠蔽リスクも防げます(1,400円)。
👨‍💼専門家(司法書士・行政書士)に作成チェックを依頼する —— 自分で書いた後に専門家に確認してもらうだけで、形式不備の多くは防げます。

よくある疑問
無効な遺言書が見つかった場合はどうすればよいですか?
遺言書が無効な場合は、法律的には遺言書がない状態と同じです。相続人全員で遺産分割協議を行い、分割方法を決める必要があります。遺言書の有効性に争いがある場合は「遺言無効確認訴訟」を家庭裁判所に起こすことができます。早めに弁護士に相談してください。
遺言書の内容が気に入らない場合、無効にできますか?
内容が気に入らないというだけでは無効にできません。無効にするには「形式不備」「意思能力の欠如」「偽造・変造」などの法律上の理由が必要です。内容に納得できない場合は遺留分侵害額請求や相続人全員の合意による遺産分割協議で対処する方法があります。詳しくは遺言書の内容に不満がある場合の対処法をご覧ください。
認知症の人が書いた遺言書は無効ですか?
認知症と診断されているだけで自動的に無効になるわけではありません。遺言作成時に「意思能力(遺言の内容・影響を理解する能力)」があったかどうかが判断基準です。軽度の認知症であれば有効な場合があります。後の無効主張に備えるため、作成時に医師の診断書を取得し、公証人の立会いのもとで作成することを強く推奨します。
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