税金・節税 > 相続税とは何か(入門編)

相続税とは何か
初心者向けにわかりやすく解説

相続税とは、亡くなった方の財産を受け継いだときにかかる税金です。ただし日本で相続税がかかるのは全体の約9%の相続のみです。まず「自分に申告が必要かどうか」を基礎控除で確認しましょう。

相続税のしくみ — 3ステップで理解する
相続税額が決まるまでの流れ
すべての相続財産
非課税財産
債務・葬儀費用
=
課税価格の合計
 ※生命保険・退職金のみなし相続財産・生前贈与(7年以内)も加算します
課税価格の合計
基礎控除額
3,000万円+600万円×相続人数
=
課税遺産総額
 ※課税遺産総額がゼロ以下なら相続税はかかりません(申告不要)
課税遺産総額を
法定相続分で按分
×
税率
10〜55%
控除額
=
相続税の総額
 ※各相続人が実際に取得した割合で税額を按分して各自の納税額を決定します

まず確認:相続税の申告は必要ですか?
基礎控除を計算して申告の要否を確認する
法定相続人の人数
遺産総額(概算) 万円
基礎控除額
4,800万円
課税遺産(概算)
1,200万円
申告が必要です — 税理士への早期相談を推奨します
基礎控除は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算します。相続人が3人なら4,800万円。遺産総額がこれを下回れば申告不要です。

相続税がかかるケース・かからないケース
申告が必要になるケース
都市部の不動産(土地)を相続した
預貯金・株式などが多額にある
相続人が少ない(1〜2人)
生前贈与を7年以内に受けていた
生命保険・退職金が非課税枠を超えた
申告が不要なケース
遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×相続人数)以下
地方の実家のみで評価額が低い
相続人が多く一人あたりの取得額が少ない
配偶者控除・小規模宅地特例で税額ゼロになる
負債が財産を上回り課税財産がない
「相続税がかかる相続は全体の約9%(令和5年度)」です。多くの方には相続税がかかりません。ただし都市部の不動産を相続した場合は基礎控除を超えるケースが多いため、早めの確認を推奨します。

相続税の計算を具体例で理解する
例:妻・子2人(計3人)が相続。遺産総額8,000万円(不動産4,000万円・預金4,000万円)
STEP1 課税価格の合計を求める
相続財産の合計からマイナス財産(借金・葬儀費用)を差し引きます。
8,000万円(遺産総額)− 200万円(葬儀費用)= 7,800万円(課税価格の合計)
STEP2 基礎控除を引いて課税遺産総額を求める
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
7,800万円 − 4,800万円 = 3,000万円(課税遺産総額)
STEP3 法定相続分で按分し仮の税額を計算する
妻1/2(1,500万円)・子各1/4(750万円)に分けて税率を適用します。
妻:1,500万円 × 15% − 50万円 = 175万円
子A:750万円 × 10% = 75万円
子B:750万円 × 10% = 75万円
相続税の総額 = 325万円
STEP4 実際の取得割合で按分・各人の税額を確定
各相続人が実際に取得した割合(遺産分割協議の結果)で325万円を按分します。配偶者控除・小規模宅地特例などを適用して最終的な税額を決定します。
配偶者が4,000万円取得 → 配偶者の税額軽減により 妻の相続税はゼロ
子A・子Bが各2,000万円取得 → 各約162万円(合計約325万円)

相続税の税率早見表
各相続人の課税遺産額 税率 控除額 税率イメージ
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円
※この税率は「課税遺産総額を法定相続分で按分した各相続人の仮の取得額」に適用する超過累進税率です。実際の相続税額は取得割合・各種特例によって変わります。

知っておくべき主要な特例・控除
配偶者の税額軽減
配偶者が取得した財産が1億6,000万円または法定相続分の多い方まで相続税ゼロ。夫婦間の相続で最も重要な特例。
最大:全額非課税
小規模宅地等の特例
自宅(330㎡以内)の土地の評価額を最大80%減額。事業用地(400㎡以内)も80%減額。同居・家なき子などの要件あり。
最大:評価額80%減
生命保険・退職金の非課税枠
死亡保険金・死亡退職金それぞれ「500万円×法定相続人の数」まで非課税。遺産に組み込まれないため節税効果大。
500万円×相続人数が非課税
生前贈与・相続時精算課税
毎年110万円の暦年贈与(2024年改正で加算期間7年に延長)。または相続時精算課税制度(年110万円基礎控除新設)の活用で節税。
生前対策が最大の節税手段

よくある疑問
相続税と贈与税の違いは何ですか?
相続税は「亡くなった方から財産を受け継いだとき」にかかる税金です。贈与税は「生きている方から財産をもらったとき」にかかる税金です。贈与税の方が一般的に税率が高く設定されており、相続税を回避するための過度な生前贈与を防ぐ役割があります。2024年の税制改正で、亡くなる前7年以内の贈与は相続税の計算に加算されるようになりました。
相続税は誰が払いますか?どのように納付しますか?
財産を受け取った相続人・受遺者それぞれが、自分の取得財産に対応する税額を納付します。期限は相続開始を知った日から10ヶ月以内。原則として現金一括払いです。現金が不足する場合は「延納(最大20年の分割払い)」または「物納(不動産などで納付)」を申告期限までに申請できます。
相続税申告は自分でできますか?
法律上は本人申告も可能ですが、不動産評価・各特例の適用要件・節税策の検討は専門知識なしには困難です。特に「小規模宅地等の特例」「配偶者控除」は申告によって初めて適用できる特例で、申告しないと適用されません。預貯金のみ・不動産なし・特例不要という単純なケース以外は税理士への依頼を強く推奨します。
「相続税がかかる」と聞いていなかった場合はどうすれば?
相続税には基礎控除があるため、すべての相続に課税されるわけではありません。まず「遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×相続人数)を超えるか」を確認してください。超えていなければ申告不要です。不明な場合は税務署に相談するか、税理士に無料相談を依頼することを推奨します。知らずに申告を怠っていた場合でも、早めに申告することで加算税を最小限に抑えられます。
「相続税がかかるか確認したい」
「計算方法を一緒に確認したい」場合はご相談ください。
今すぐ相談する ↗