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相続した空き家・空き地の問題と対処法
相続した空き家・空き地の問題と対処法
放置すると増え続けるコストと5つの活用・処分方法
相続した空き家・空き地を放置すると固定資産税・管理費・老朽化による損害賠償リスクが年々増加します。「特定空き家」に指定されると固定資産税が最大6倍になることも。早めに方針を決め行動することが最善策です。
放置し続けた場合のコストシミュレーター
固定資産税(年額)
万円/年
管理・草刈り費用(年額)
万円/年
特定空き家指定の見込み
放置する年数
年
固定資産税累計75万円
管理費累計25万円
特定空き家指定による税増加(推定)0万円
放置した場合の概算コスト合計
100万円
※老朽化による損害賠償リスク・隣地への越境リスク・解体費用の値上がりリスクは含んでいません。実際のコストはさらに大きくなる可能性があります。
放置すると起きること — 時間軸で確認する
相続直後〜1年
固定資産税・管理費の負担が始まる。水道光熱費の停止手続き・郵便物の転送・近隣への挨拶が必要。火災保険を居住用から「空き家用(空き家補償)」に変更しないと保険が効かなくなることも。
1〜3年
空き家の劣化が進み始める。庭の草木が繁茂して近隣トラブルの原因に。不法投棄・不審者侵入のリスクが高まる。売却するなら「空き家の3,000万円控除(相続開始後3年以内)」の期限に注意が必要。
3〜10年
屋根・外壁の劣化が顕著になり修繕費用が急増。外壁・ブロック塀の崩壊で隣地・通行人への損害賠償リスクが生じる。市区町村から「管理不全建物」として指導が入ることも。「空き家の3,000万円控除」の期限(3年)が過ぎて売却の税メリットが減少。
10年以上
「特定空き家」に指定されると固定資産税の住宅用地特例が外れて最大6倍に。市区町村が代執行(強制解体)する場合、費用が土地に抵当権として請求される。解体費用が高騰しており業者確保も困難になる。相続人が死亡してさらに権利関係が複雑化するリスクも。
空き家・空き地の5つの活用・処分方法
詳細 →
売却する
賃貸・活用する
解体して更地にする
寄付・放棄する
空き地として活用する
最も多い選択
不動産業者に売却する
現金化・管理から解放
空き家・空き地をそのまま、または解体して更地にして売却します。相続した空き家の売却には「空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)」が適用できる場合があり、相続開始後3年以内の売却で大きな節税効果があります。
1相続登記(名義変更)を完了させる(2024年から義務・3年以内)
2複数の不動産業者に売却査定を依頼する(無料)
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3仲介か買取かを選ぶ(仲介は高値・時間かかる、買取は即現金化・安い)
4売買契約・引渡し・残金決済
5税理士に譲渡所得税の申告を依頼
空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)
要件:①相続した空き家(昭和56年5月31日以前建築)②被相続人が一人暮らしをしていた③相続開始日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却④売却価格1億円以下。要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。2024年改正で耐震改修または建物の取壊し後の売却も対象になりました。
要件:①相続した空き家(昭和56年5月31日以前建築)②被相続人が一人暮らしをしていた③相続開始日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却④売却価格1億円以下。要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。2024年改正で耐震改修または建物の取壊し後の売却も対象になりました。
不動産を手放したくない場合
賃貸・シェアハウス・古民家活用
賃料収入を得ながら保有継続
賃貸に出すことで固定資産税・管理費の一部を賄いながら不動産を保有できます。通常の賃貸のほか、シェアハウス・民泊・古民家カフェ・コワーキングスペースなどの活用も選択肢です。ただし初期リフォーム費用・空室リスク・管理の手間がかかります。
1建物の状態を調査・リフォームの必要性を確認
2地域の不動産業者に賃料相場・需要を確認
3リフォーム(最低限の整備)を実施
4賃貸管理会社に管理を委託する(手数料5〜10%)
5賃料収入は不動産所得として確定申告が必要
空き家のままより賃貸中の方が固定資産税の住宅用地特例が適用されます(小規模住宅用地:1/6・一般住宅用地:1/3)。リフォーム費用も不動産所得の経費として計上できます。
老朽化が進んでいる場合
解体して更地にする
管理リスク解消・土地活用の幅が広がる
老朽化した建物を解体して更地にすることで、崩壊・損害賠償リスクを解消し土地の売却・活用がしやすくなります。ただし解体すると「住宅用地特例」が外れて固定資産税が上がる点に注意が必要です。解体前に売却するかどうかを不動産業者・税理士と相談してください。
1解体業者に見積もりを依頼(複数社比較推奨)
2アスベスト含有調査(1981年以前の建物は義務)
3解体工事・廃材処理(費用目安:木造30〜80万円、鉄骨・RC:100万円以上)
4解体後に建物の滅失登記を申請(1ヶ月以内に義務)
5更地のまま売却または活用方法を検討
解体すると固定資産税の住宅用地特例(1/6軽減)が外れて税額が最大6倍になります。解体後すぐに売却または駐車場等で活用することを検討してください。市区町村によっては解体費用の補助金制度があります(最大50〜200万円)。
売れない・活用できない場合
相続土地国庫帰属制度・寄付・自治体への贈与
2023年4月から新制度が開始
2023年4月に「相続土地国庫帰属制度」が開始され、一定の要件を満たす土地を国に引き取ってもらえるようになりました。また市区町村・NPO・隣地所有者への寄付も選択肢です。ただし国庫帰属には10年分の管理費相当の負担金が必要です。
1法務局に「相続土地国庫帰属制度」の相談申請(審査あり)
2要件確認:建物がない・担保権がない・境界が明確など
3審査通過後に負担金を納付(10年分の管理費相当・宅地は20万円〜)
4市区町村・NPO・隣地への寄付も相談してみる(断られることが多い)
国庫帰属が認められると所有権が国に移転し、固定資産税・管理義務から解放されます。ただし建物がある土地・汚染された土地・法令違反がある土地は対象外です。司法書士・弁護士への相談を推奨します。
更地・空き地の場合
駐車場・太陽光発電・トランクルームとして活用
初期費用少なく収益化できる
更地または建物を解体した後の土地を収益化する方法として、駐車場・太陽光発電・トランクルームなどがあります。初期費用が少なく管理の手間も少ない活用方法です。ただし住宅を建てないと固定資産税の住宅用地特例が適用されないため、空き地の場合は固定資産税が高くなります。
1土地の立地・面積・形状に合った活用方法を不動産業者に相談
2駐車場:舗装工事のみで低コスト・管理会社に委託可能
3太陽光発電:初期費用大きいが20年間の固定買取制度(FIT)を活用
4トランクルーム:コンテナを設置するだけ・需要が安定している
5収益は雑所得または不動産所得として確定申告が必要
空き家・空き地を相続した場合の重要な注意点
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「空き家の3,000万円特別控除」は相続後3年以内が期限被相続人が一人で住んでいた空き家(昭和56年5月以前建築)を売却する場合、相続開始後3年を経過する年の12月31日までに売却すれば譲渡所得から3,000万円を控除できます。この期限を過ぎると大きな節税メリットを失います。今すぐ不動産業者に査定を依頼し、売却の検討を始めてください。
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特定空き家・管理不全建物に指定されると固定資産税が最大6倍市区町村が老朽化・倒壊の危険・衛生上有害な空き家を「特定空き家」または「管理不全建物」に指定すると、住宅用地特例(固定資産税1/6軽減)が外れ税額が最大6倍になります。指定前に改善命令が来るため、行政からの通知が来たら速やかに対応してください。
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相続登記(名義変更)を3年以内に完了させる義務がある2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科されます。空き家・空き地でも例外ではありません。「売却も活用もしない」という場合でも名義変更だけは早期に行ってください。
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解体費用の補助金・空き家バンクを活用する多くの市区町村で「空き家解体費用の補助金」(最大50〜200万円)や「空き家バンク(自治体のマッチングサービス)」を提供しています。売却が難しい地方の空き家でも空き家バンクを通じて移住希望者に安く売ったり、リノベーションして活用する事例が増えています。まず地域の市区町村に相談してみましょう。
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空き家の火災保険は「空き家用」に切り替えが必要居住用の火災保険は空き家になった時点で保険が適用されなくなる場合があります。相続後に空き家になった場合は保険会社に連絡し、空き家対応の保険(空き家補償・空家保険)に切り替える必要があります。空き家のまま放置すると無保険状態になるリスクがあります。
よくある疑問
空き家を売却する場合、そのままの状態(現況渡し)で売れますか?▶
売れます。相続した空き家は「古家付き土地」として現況渡しで売却できます。買主が取壊しを前提に購入するケースも多く、リフォームの必要はありません。ただし現況渡しでも「雨漏り・シロアリ・設備の故障」などの重大な瑕疵(欠陥)は告知義務があります(告知しないと売却後も損害賠償責任を負う)。不動産業者に現況確認と告知書の作成を依頼してください。
「相続土地国庫帰属制度」はどんな土地でも申請できますか?▶
申請できない土地があります。①建物・工作物がある土地(解体後なら可)②担保権・使用収益権が設定されている土地③土壌汚染がある土地④境界が不明確な土地⑤崖・急傾斜がある管理困難な土地⑥他人が使用している土地などは対象外です。また審査手数料(1万4,000円)と承認後の10年分の管理費相当の負担金(宅地は20万円程度〜面積に応じて変動)が必要です。司法書士・弁護士に相談して申請可能かどうかを確認してください。
共有名義の空き家を売却したいが一人が反対しています。どうすればいいですか?▶
共有の全体売却には全員の同意が必要です。反対している共有者を説得できない場合、①その共有者に自分の持分を買い取ってもらう②自分の持分だけを第三者(持分買取業者)に売却する③共有物分割請求訴訟を起こして競売または価格賠償を求める、という選択肢があります。「競売になると全員が損をする」ことを弁護士を通じて伝え、合意を促すことが最初のステップです。
空き家の固定資産税を払いたくないので相続放棄したいが可能ですか?▶
相続放棄は相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申立てが必要です。相続放棄すると空き家を含む全財産・全債務を放棄することになり、特定の財産だけを放棄することはできません。また相続放棄後も「相続人がいない場合」は管理義務が続く場合があります(民法改正で緩和)。空き家のためだけに相続放棄を選ぶ場合は、他の財産・債務への影響を弁護士・司法書士と十分に検討してください。
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