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相続手続きを自分でやるポイントと注意点
費用を抑えながら確実に進める

相続手続きの多くは自分で行うことができます。費用を抑えたい・時間をかけても丁寧に進めたい場合は自分で対応できます。ただし相続税申告・不動産評価など専門知識が必要な手続きは、ミスが大きな損失につながるため、どこまで自分でやるかを見極めることが重要です。

あなたのケースの難易度を判定する
当てはまる項目にチェックを入れてください(複雑なケースほど専門家が必要です)
不動産を相続する(土地・建物)
相続税の申告が必要(遺産総額が基礎控除を超える)
相続人が4人以上いる
疎遠な相続人・行方不明者がいる
認知症の相続人がいる
借金・保証債務がある
相続人間で意見が割れている(遺産分割でもめている)
非上場株式・事業用財産がある
海外在住の相続人・海外資産がある
遺言書の有効性に疑問がある
上の項目をチェックすると難易度を判定します

手続き別 難易度と自分でできるか
手続き 難易度 自分でできるか ポイント
死亡届・葬儀の手続き
ほぼ自分で可 葬儀社が多くを代行。死亡診断書のコピーを忘れずに。
戸籍収集・相続人調査
やや易
自分で可 郵送請求で対応可。複数本籍地があると時間がかかる。
相続放棄の申立て
やや易
自分で可 裁判所の書式に従えば対応可。期限(3ヶ月)に注意。
財産調査・財産目録作成
自分でもできる 信用情報照会・名寄帳取得など手間がかかる。漏れに注意。
遺産分割協議書の作成
自分でもできる 書式は自由だが不動産の表記ミスに注意。行政書士確認推奨。
銀行口座・証券の解約
自分でもできる 各金融機関ごとに書類が異なる。複数あると手間がかかる。
自動車の名義変更
自分でもできる 車庫証明取得・陸運局持参が必要。書式は入手しやすい。
相続登記(不動産名義変更)
できるが複雑 法務局の書式あり。不動産表記の正確さが必須。複数は困難。
準確定申告
税理士推奨 不動産・事業収入があると複雑。ミスで過少申告のリスク。
相続税申告
最難
税理士必須 不動産評価・特例適用・節税策は専門家でなければ対応困難。

自分でやる場合 vs 専門家に頼む場合の費用比較
自分で手続きする場合の実費
戸籍謄本一式収集5,000〜20,000円
残高証明書(金融機関数による)1,000〜5,000円
登録免許税(不動産登記)評価額×0.4%
車庫証明約2,700円
各種申請手数料数千円
郵送・交通費5,000〜20,000円
実費合計(税申告なし) 3〜10万円程度
専門家に依頼する場合の目安
相続税申告(税理士)遺産の0.5〜1%
不動産登記(司法書士)5〜15万円
遺産分割協議書(行政書士)3〜10万円
戸籍収集代行3〜5万円
紛争解決(弁護士)着手金20万円〜
相続コンサルタント10〜30万円
節税効果で費用を回収できることが多い
相続税申告がある場合、税理士への依頼費用(例:50万円)が「特例を使いそびれた損失(数百万円)」より大幅に安くなるケースが多いです。自分でやるかどうかの判断は「費用節約額」と「リスク・時間コスト」を比較して行いましょう。

自分でスムーズに進めるための5つのコツ
1
最初に「全体スケジュール」を把握してから動く
期限(7日・3ヶ月・4ヶ月・10ヶ月)を把握し、逆算してスケジュールを立てます。「今月何をすべきか」が明確になれば焦りが減り、ミスも防げます。チェックリストを活用して進捗を管理しましょう。
2
各機関への問い合わせを遠慮なく活用する
法務局・家庭裁判所・税務署・市区町村役場には「相続手続きの相談窓口」があります。書式の書き方・提出先・必要書類などを無料で教えてもらえます。「こんな初歩的なことを聞いていいのか」という遠慮は不要です。
3
戸籍・住民票・印鑑証明書は多めに取得する
「必要になってから取得」では何度も役場に行く羽目になります。戸籍謄本は5〜10部、印鑑証明書・住民票は5部ずつまとめて取得しておくと、金融機関・法務局・税務署への対応がスムーズになります。
4
「法定相続情報証明書」を取得して効率化する
法務局で一度取得すれば、戸籍謄本の束の代わりに各金融機関・法務局への提出が1枚で済みます(無料・何枚でも追加可)。複数の金融機関で手続きする場合は必ず活用しましょう。
5
「自分でやること」と「専門家に頼むこと」を分担する
すべてを自分でやる必要はありません。「戸籍収集・銀行手続きは自分で、相続税申告・不動産登記は専門家に」という分担が費用と確実性のバランスが最良です。専門家への相談は「頼むかどうかの確認」だけでも価値があります。

これだけは専門家に任せるべきケース
相続税申告が必要な場合(税理士)
不動産評価・特例適用・節税策は専門知識なしには対応困難。自己申告で特例を使いそびれると数百万円の損失になることがあります。
相続人間でもめている場合(弁護士)
遺産分割の対立・遺留分請求・遺言書の有効性争いは弁護士なしには解決困難です。早期に弁護士に相談することで調停・訴訟を避けられることも。
不動産登記が複雑な場合(司法書士)
不動産が複数・農地・共有持分・数次相続(未了の相続がある)は記載ミスのリスクが高く、司法書士への依頼が安全です。
認知症・行方不明者がいる場合(弁護士・司法書士)
後見人選任・不在者財産管理人の選任申立ては家庭裁判所への申立てが必要で、専門家なしでは書類作成・進行管理が困難です。
非上場株式・事業承継がある場合(税理士)
非上場株式の評価は純資産価額方式・類似業種比準方式など複雑。評価誤りが数百万円単位の課税差を生みます。事業承継専門の税理士が必要です。
海外資産・国際相続がある場合(国際相続専門家)
現地の法律・税務・手続きが絡む国際相続は国際相続専門の弁護士・税理士なしには対応困難です。二重課税・申告漏れのリスクがあります。

よくある疑問
相続手続きを全部自分でやった場合、どのくらい時間がかかりますか?
単純なケース(相続人2〜3人・預金のみ・相続税なし)でも、戸籍収集から全手続き完了まで3〜4ヶ月程度かかることが多いです。不動産がある・相続税が必要・金融機関が多いケースでは6〜9ヶ月かかることもあります。仕事を持ちながら進める場合は書類収集・役場・金融機関への往来に平日休暇が必要になることも覚悟しましょう。
ミスをした場合はどうなりますか?取り返しがつかないミスはありますか?
多くのミスは修正・再申請が可能です。ただし取り返しがつきにくいミスもあります。①相続放棄の3ヶ月期限を過ぎると原則として取り消せない ②相続税の申告期限を過ぎると無申告加算税・特例不適用 ③一度成立した遺産分割協議の取り消しは原則困難 ④遺言書の無断開封は過料対象。これらの「期限・一度きりの手続き」は特に慎重に対応してください。
無料で使える相談窓口はありますか?
複数の無料相談窓口があります。①法務局(不動産登記・法定相続情報証明)②税務署(相続税の一般的な質問)③家庭裁判所(相続放棄・検認手続きの質問)④法テラス(経済的に困難な方向け)⑤市区町村の無料法律相談(弁護士・司法書士が月数回担当)⑥銀行・信託銀行の相続相談(無料だが自社商品への誘導がある場合も)。これらを活用した上で、具体的な手続きが難しい場合に専門家への依頼を検討しましょう。
相続手続きをすべて専門家に任せた場合の総費用はいくらですか?
ケースによって大きく異なります。目安として、遺産1,000万円(不動産なし・相続人2人):10〜30万円。遺産5,000万円(不動産あり・相続人3人):50〜100万円。遺産1億円超(複数不動産・複雑な家族関係):100〜300万円程度。相続税の節税効果(特例適用・評価減)で専門家報酬を大きく上回る節税効果が得られることが多いです。
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