2027年導入の相続税「5年ルール」を徹底解説。亡くなる直前の駆け込み不動産購入による節税スキームは事実上、完全封印されます。常識が覆る大改正の全貌と、これからの時代を生き抜く資産防衛術をお届けします。
一言で言えば、「亡くなる前(または贈与の前)5年以内に取得・新築した賃貸用不動産は、従来の路線価ではなく、取得価額(時価)ベースで厳格に評価する」というルールです。
これまでの相続税実務では、時価(購入価格)が1億円のマンションであっても、「路線価」や「固定資産税評価額」を基準にすることで、時価の6〜7割程度にまで評価額を圧縮できていました。さらに賃貸に回していれば借地権・借家権割合の適用で、最終的な評価額が購入価格の3〜4割にまで下がることも珍しくありませんでした。
今回の改正の背景には、国税庁が問題視してきた「行き過ぎた駆け込み節税」の実態があります。国税庁が公表した事例には、以下のような驚くべき乖離がありました。
「亡くなる直前にタワマンやアパートを借金で買い、相続税をゼロにして、相続後にすぐ売却する」という極端なスキームが横行した結果、財産を現金で持つ一般家庭との間で「課税の公平性」が著しく損なわれていると判断されたのです。
物件:東京都心の一棟賃貸マンション(取得価格:3億円)/相続人:子供2人(相続税率40%と仮定)
今回の改正で、現物不動産以上に厳しい目を向けられているのが「不動産小口化商品(任意組合型など)」です。
「不動産はもうダメだ」と絶望する必要はありません。この「5年ルール」の登場によって、不動産投資の在り方が「節税ありきのペーパーゲーム」から「本質的な価値重視の資産運用」へと正常化するのです。
まずは、今お持ちの資産の「取得時期」をすべて洗い出すことから始めてみてください。時代の転換期だからこそ、表面的な情報に惑わされず、本質的な価値に目を向けていきましょう。